2015年11月30日月曜日

反省

理事長の中村嘉孝です。

出生前・着床前診断のセミナーのために、ボストンに行っていました。今回はビジネス寄りのセミナーで、遺伝子診断の機器を作っているメーカーの研究者が多数参加していました。

急速に進歩している分野ですので、もちろん色々な収穫があったのですが、今回、つくづく反省させられたことが一つありました。

それは、NIPTを妊婦に勧めるべきかどうか、という点についてです。もちろん、論理的には羊水検査の方が良いに決まっています。NIPTでは所詮、限られた染色体しか調べられないですから、NIPTで「問題なし」という結果が帰ってきても、他の番号の染色体に異常のある場合がいくらでもあります。

万全を期するなら羊水検査を選択するのが、当たり前の帰結なのです。もちろん、このことは私も十分に承知していたのですが、そうはいってもお腹に針を刺すのが嫌な人もいるだろうから、とご夫婦のお考えに委ねているつもりだったのです。

しかし、セミナーのディスカッションでこの話に及んだ時、ニューヨークの産婦人科教授が「自分の患者さんの70%が羊水穿刺を選択する。」と発言したのです。それに対してコロラド州の産婦人科教授から、「それはニューヨークの女性だからだ」という反論があり、笑ってしまいました。

「ニューヨークの女性=論理的なキャリアウーマン」ということなのでしょうね。

もちろんNIPTは素晴らしい技術ですが、それは公衆衛生の観点から見て効率的に異常を検出できるということです。英国のように医療費がすべて公費で賄われる国で、費用対効果を考えて導入されるものであって、個人が最大の結果を求めて選択すべき類のものではありません。

当院にお越しいただくご夫婦が、ニューヨークのご夫婦よりも論理的でない、などということはないはずです。私自身、もっと積極的に羊水検査の必要性を説得すべきであったと反省をしているところです。






















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