2020年4月27日月曜日

コロナウィルス・・・その2

理事長の中村嘉孝です。
新型コロナ対応の考え方について前回のブログでお示ししたのですが、「もっとわかりやすく書くように」というコメントを頂きました。どこまで、うまくできるかわかりませんが、頑張ってみます。

まず、前提となる事実を確認させて下さい。

コロナにかかる人をできるだけ減らす、ということであれば、ずっと自粛を続けるしか仕方ありません。

流行が収まって自粛を解除したら、必ずまた流行します。ここがよく勘違いされていますが、ウィルスを地上から根絶するという訳ではないので、元の生活に戻れば、必ず、また流行が始まります。

それを何度も繰り返しているうちに免疫を持つ人の割合が増えてきて、いずれ自然に流行は終息します。そして、その時までに感染する人の数は、自粛せずに放っておいた場合の感染者数と一緒。自粛しようがしまいが、感染する割合は同じなのです。

では、何のために自粛を繰り返すのかというと、放っておくと爆発的に感染が拡がり、一気にコロナの患者が殺到して助かるものも助からなくなるから。

だから、取りうる政策のシナリオは3つです。

1 ずっと自粛を続けて、感染する人が出ないようにする。
2 数年かけて断続的に自粛をする。(自粛2ヶ月間、解除1ヶ月間の繰り返し)
3 放っておく。(集中治療室が足りなくて大勢が亡くなるけど、3ヶ月で終わる)

具体的な数字はともかく、おおむね、こんなイメージです。

私は経済への影響があまりに大き過ぎると思うので、3の選択肢やむなしと思っているのですが、それはイデオロギーの問題なので置いておきます。

政府が1か2か、一体どちらを目指しているのかはっきりしませんが、常識的に考えて1は採択しようがない。すでに甚大な影響を受けている経済が壊滅してしまいます。

そうなると、2の選択肢となる。それも、自粛が終わるのが早いほどよい。そういうわけで、「コロナに感染しないように」というのは根本的に間違いで、「コロナにほどほどのペースで感染しよう」というのが正しいことになります。

また、現在のように「コロナのクラスターが出た」と大騒ぎになり、病院が閉鎖に追い込まれてしまったりするのは本末転倒もいいところだと思っています。

それはともかく、8割の人が感染して免疫をもたないといけないので、いずれかの時点で8割が感染する。もし、その残りの2割に残りたいということであれば、他の人が先に感染することを願いながら、一人で自粛を続けるしかないです。個人的には、高齢者や基礎疾患をお持ちの方がその2割に残れるように、できるだけ元気な人が先に感染すべきだとは思いますが、それぞれの考え方ですので否定はしません。

さて、それらを前提に不妊治療についてです。生殖医学会からは「コロナの妊娠への影響が不明なので胚移植を先送りにするように」という見解が出ていますが、私は正直なところ、的外れだと思っています。

妊娠への影響を言うなら不妊治療に限らず、自然妊娠でも同じこと。さらに胎児への長期的影響の可能性まで言い出したらきりがない。現実的にどうしようもないことに、可能性だけを指摘する。そんな見解は誰でも言えます。後で色々いわれないように、予防線を張るという以上の意味はないです。

いずれにしても、待っている余裕がないから不妊治療に来られているわけで、それをコロナの終息を待って数年遅らせるなどありえない話です。

とはいえ、いくら論理的な話をしても通じるような状況ではないので、黙っているのが一番だろうと思っています。(まあ、ここに書いているわけですけど。)

あと、少し経済の話を。コロナでどの政策を取るかは、煎じ詰めれば人命と経済比較の問題です。人の命に値段など付けられるかとお怒りの方はここで読むのをやめて下さい。現実の問題としてこのような費用対効果、費用対効用の分析は政策判断に必要です。

仮に自粛をせずにコロナで亡くなる方が50万人だとしたら、その経済損失は数兆円程度になるはずです。日本の一人あたり年間GDPが500万円として亡くなった方が、もしコロナにかかっていなければ何年生きれたか(=余命)を掛けたものの合計になります。お亡くなりになるのはほとんどが高齢者で生産年齢を超えていることを考えると、かなり多く見積もってそれくらい。

一方でコロナによるGDPの減少は今年だけで数十兆円の規模、場合よっては100兆円を超えるような試算さえあります。

経済的な評価だけ言えば、とうてい自粛している場合ではない。本当は経済学者が言わなくてはならないことで、そうしたら私も医者の端くれとして「人命がかかっている時に金の話など何事か!」と格好のいいことが言えるのですが、誰も言わないので仕方なく、代わりに書いておきます。








2020年4月16日木曜日

船曳ドクターが『マイナビニュース』の取材を受けました(14)

事務部よりお知らせです。

船曳美也子先生が、『マイナビニュース』の取材を受けました。

“何日ずれたら生理不順なの? 原因や治療法を専門医が解説”
https://news.mynavi.jp/article/20200415-1014156/

ぜひご覧ください。


2020年4月11日土曜日

コロナウィルス

理事長の中村嘉孝です。

コロナについてなぜオーク会の見解を出さないのか、としばしばお叱りを受けるのですが、なぜ出さないかというと、たぶん理解されないと思うからです。

理解されないというのは、考え方に同意してもらえないという意味ではなく、一体、何を言っているのかわからない、ということです。政府も報道も、科学的事実の理解が間違った上で次々と情報が発信する中で、いくら本質的な話をしても無駄だと思ったからです。

しかし、最近は少しまともな報道やブログが増えてきて、政府もどうも理解の誤りに気がついた節が見られます。私どもにも取材をいただいたりする中、いつまでも黙っているのもどうかと思い、この場で説明を差し上げたいと思います。

まず、大前提として大半の人がコロナに感染しないかぎり終息しないという事実があります。この「事実」がなかなか理解されないのですが、その根拠はSIRモデルという疫学の数理モデルです。

https://koji.noshita.net/materials/compbio/compbio2019/05/05_dist.pdf?fbclid=IwAR1fbjgSkRSbZTcQt3a70cLQAyxzJ3NxCfkasDYnQnGlLEWj8wnlfxZQ9fs

ウィルスがどれくらい人間に感染させる力をもっているか(感染力)と感染した人間がどれくらい治っていくか(除去率)によって、感染症がどのように始まって終息するかを数学的に記述しているモデルです。

この中の数式がわからなくても、大事なことは、感染症の拡がり方は感染率βと除去率γで自動的に決まってしまう、ということです。

そして、もっとも重要なことは、終息したときに結局、何人が感染したのかという最終規模も、βとγで自動的に決まってしまうという点です。

どんな対策をしてみたところで、結局、大半が感染してしまわないことには終息しない。では、実際にどれくらいの人が感染しないといけないのか、英国の試算を見てみます。


感染済みの人の割合が多くなると、一人の感染者が平均して移す人数が一人以下になる。だから、その時点から感染がピークアウトして終息に向かいます。その割合を計算すると60%弱。

でも、そこから終息までに感染する人がまだいます。(高校数学を覚えておられる方は微積分を思い出して下さい。総数は、極限が0に収束する曲線の積分になりますよね。)

その理論値が資料では81%となっています。

マスクや外出禁止でβを下げ、隔離でγを上げる。今、日本はそれをしている状態ですね。そうすると感染者数は抑えられる。だけど、それは今だけの話であって、βとγが元に戻れば、つまり元の生活に戻れば、また感染が拡大する。

そして、最終的な総数は全く同じになるのです。それを少なくしようと思ったら、永久に元の生活に戻れない。感染が一旦収束したあとのグラフを正確に書かないから、ごまかすから誤解が生じるのですね。


この中のビデオの21分あたりからをご覧下さい。ここでもこの一番大切なことが、さらっとしか触れられていませんが、正直に「不都合な真実」といっています。
 
途中で感染率を変えた場合はグラフの形が変わると値が変わるのではと思われるかも知れませんが、この論文に「最終規模方程式は非常に頑健な関係式であって、感染症の中間段階を多数に分割したり、個体群の異質性を取り入れても変化しないことがわかっている」とあります。
https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~inaba/inaba_science_2008.pdf

SIRモデルは単純ですが、実際の例によくフィットすることが知られています。出生や死亡を考慮に入れたりなど、もっともっと精緻なモデルはありますが、本質は変わりません。また、資料中の数字についても当然、実際とズレがあるでしょうが、議論の本質は徹頭徹尾、同じです。

もちろん完全に感染率ゼロ、つまり世界中の総ての人が一斉に、数週間誰とも接触することなく過ごし、人が触れるすべてのものを消毒し尽くし、宿主となるすべての動物を処分すれば、確かに終息しますが、そんなことは不可能です。あと、ワクチンとか新薬とかもありますが、現実を直視しないファンタジーだと私は思っています。

一方で私は、実は8割以上、ほぼ皆が感染すると思っています。なぜならコロナは終生免疫ではないし、定着すれば他の風邪と同じで、結局は誰もが罹ることになると推測しています。ずっと肺炎だらけ、ということではなく、定着して子どものうちに罹れば、再感染はブーストがかかって早く治ることになるはずです。

でも、そんな素人の思いつきは別にして、専門家のいう8割というところは、疑う余地のない事実です。そうなると、何のために外出を自粛するのでしょうか?それは、一度に病院に押し寄せると困るから。それだけです。

だから、先ほどの英国の資料の中のFigure4が論理的に「正しい」対策です。つまり。集中治療室がパンクしないようにコントロールしながら、感染者が減ってきたら少し外出禁止を緩めて順番に国民を感染させていく必要があるのです。

でも、そうすると2年ほど続くことになる。

専門家は当初から間違いなくそう言ってきているのですが、専門バカだから、どうでもいい瑣末な可能性を織り込んで話をする。また、「皆でがんばりましょう」と妙にコミュニタリアンな発言をする。だから政策が迷走していたのだと、私は思っています。

でも、やっと政府は専門家の説明する科学を理解したようです。そして、専門家の提言する政策を真に受けて実施すると、何が起きるかに気がつき慄然としているのです。だから自粛が行き過ぎないよう、いまだトンチンカンな知事たちを必死で説得しているのです。

皆が今、頑張って自粛すれば制圧できるというのはウソです。

一方で、インフルエンザと同じ程度の死亡率だから大丈夫というのもウソ。数字を見る限り、もっと死ぬはずです。

だから議論すべき点は、本当に何人がベンチレータの不足で死んでしまうのか。医療供給不足による年齢階層別超過死亡と行動制限による経済的損失。この比較だけ。

私は経済をもっと優先すべきだと思いますし、何より過大な対応が余計に医療を疲弊させていると思っています。防護服とフェイスシールドで身を包み、ただでさえ合併症の多い高齢者の肺炎に挿管したりECMOを回してたりしたら、医療も崩壊して当たり前です。

しかし、その議論はさておいて、「コロナに感染しないように」とか「コロナが発生して申し訳ない」とか言うのは論理的におかしい。ICUが満床になるギリギリのペースで皆ができるだけ早くコロナに感染し、少しでも早く対策を終わらせないといけない。

でないと、ずっと「瀬戸際」。

どうしても罹るのが嫌な人は早く他の人に罹ってもらい、自分が感染しない2割に残らないといけない。少なくとも、自粛しない人を非難するのではなく。むしろ先に感染してくれることに感謝しないといけない。

本当は高齢者や、なにより基礎疾患をもつ人たちが罹らなくて済むように、2割の側に残れるように配慮すべきだと私は思っていますが、それはまた、別の話になります。

繰り返します。「コロナに感染しないように気をつけよう」という呼びかけは間違いです。「ほどほどのペースで感染しよう」と呼びかけるのが正しい。感染を防ぐことではなく、医療供給の制約をクリアすることが、本質的な目標なのです。

で、長くなりましたが最後に不妊治療について。

妊婦や胎児へのコロナの影響を云々するのであれば、自然妊娠でも同じこと。不妊治療だけでなく、妊娠そのものを遅らせるように呼びかけないといけない。

絶対に大丈夫、長期の影響はないというのは、いつになったら言えますか?20年後に統計が出てからですか?エビデンスとか長期の影響の可能性とか言い出すと、何もできなくなります。生殖医療に限らず学会の声明は、現実にどうしようもないことに対して、後で何か批判を受けぬよう予防線を張る話ばかりになってしまっています。

コロナの騒ぎが収まるのを待っていたら、先ほどの話で2~3年ほどかかることを覚悟しないといけません。そんなに治療を遅らせることが現実的でないことは明らかでしょう

今から高齢者を中心に多くの方が亡くなる。それは疫病だから仕方ない。でも、新しい命が生まれてくるから、次の世界が形作られていくのです。

ちなみに日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会の合同の呼びかけは「色々な考えがあるけど、妊婦さんはそれぞれの病院の方針に従って下さいね」という、何のために出したのかよくわからない内容です。まあ、この時期に何も言わずにいるのもまずいかな、ということでしょうね。

まあ、物言えば唇寒し。こんなことを色々と言ってもお叱りを受けるだけなので黙っているのが一番。学会の指針通りです、と言っておくに限ります。

あっ、書いてしまった。






2020年2月24日月曜日

船曳ドクターが『マイナビニュース』の取材を受けました(13)

事務部よりお知らせです。

船曳美也子先生が、『マイナビニュース』の取材を受けました。

“ピルでも避妊に失敗し、妊娠することはある? 専門医に聞いてみた”
https://news.mynavi.jp/article/20200212-966877/

ぜひご覧ください。



2019年12月12日木曜日

船曳ドクターが『マイナビニュース』の取材を受けました(12)

事務部よりお知らせです。

船曳美也子先生が、『マイナビニュース』の取材を受けました。

“子宮膣部びらんの症状と治療法を産婦人科医が解説”
https://news.mynavi.jp/article/20191211-934119/

ぜひご覧ください。


2019年10月3日木曜日

『赤ちゃんが欲しい公式サイト』に「卵子凍結」の取材記事が掲載されました。

事務部よりお知らせです。

銀座卵子凍結セミナーと船曳美也子先生が、「卵子凍結」について『赤ちゃんが欲しい公式サイト』の取材を受け、サイトに記事が掲載されました。

https://akahoshi.net/contents/study/5140

実際の卵子凍結セミナーでは、記事の内容以外にも卵子の老化など、最新の情報をわかりやすく解説ています。
また、セミナーのあとに、質問にお答えする時間も設けていますので、関心をお持ちの方は、ぜひご参加ください。参加費は無料です。

卵子凍結セミナーは、大阪でも行っています。詳しくは下記リンク先をご覧ください。

→ オーク銀座卵子凍結セミナー〔東京〕

→ オーク住吉卵子凍結セミナー〔大阪〕


2019年10月2日水曜日

日本経済新聞 夕刊にオーク会の取材記事が掲載されました。

事務部よりお知らせです。

田口早桐先生が、オーク会に不妊治療に来られる中国人患者様について『日本経済新聞』の取材を受け、本日の夕刊に記事が掲載されました。

途中までしか読めませんが、リンクをつけさせていただきます。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO50485010S9A001C1EAC000/