2018年9月27日木曜日

『生産性』

理事長の中村嘉孝です。

杉田水脈議員の発言が炎上し、ついに『新潮45』の休刊という事態になりました。関係ないですが、「水脈」とはなんとも右翼らしい感じの名前で通称かと思いきや、本名なのですね。

さて、その文章を読んでみたのですが、保守派の素朴な哲学を語っているだけで、特に目新しことはない、「LGBTは生産性がない」という点が引っかかったのでしょう。

身体的障害への暗い差別を想起させてしまったことが、激しい感情的反発を招いているのでしょう。言葉を生業とする政治家としては、失点に違いありません。

しかし、英語で生殖は「reproduction」、まさに再「生産」です。生殖による再「生産」がなければ人類がいなくなってしまいますので、生殖は常に正義、というよりも善悪の彼岸にあります。

ですので同意できるかどうかはともかく、公的援助のあり方に「生産性」を持ち出すのは一つの見識ではあり、掲載誌を休刊に追い込むほどのことかと思います。

ただ、杉田議員が明らかに間違っている点があります。実は、LGBTにも生産性があります。生殖医療によってLGBTカップルでも子どもを作ることが可能になっているからです。

でも、このように言うと、逆に反発を受けますね。右翼、左翼にかかわらず、LGBTに生殖医療技術を用いることに反対される方は大勢おられます。

「病気の不妊症ならともかく、そんな不自然なことは許されるべきでない」というのが大方のご意見。産婦人科医の間でも、そうです。でも、このような事例ではどうでしょう。

NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINEの今週号の症例検討は、31才で不妊の相談に病院に来た女性についてでした。検査の結果はアンドロゲン不応症。染色体はXYでも男性ホルモンの受容体が欠損しているために、心も身体も女性。ただ、子宮がなく、卵巣の代わりに精巣が体内にあるという病気です。

自分の染色体は男であると知った奥さんは最初は衝撃を受けたものの、その後、御主人にも事実を伝え、卵子提供によって現在、代理母が妊娠中とのことでした。

素直に、よかったね、と思いませんか?









2018年9月6日木曜日

学会が中止になりました

胚培養士の天野です。

今、北海道にいます。
旭川で開催予定だった第63回日本生殖医学会学術講演会に出席するために昨日到着した
のですが、地震の影響で学会は中止になってしまいました。
大規模な停電と都市インフラの停止のため、とのこと。
震源地からは離れている旭川でもまだ停電、断水しています(9/6夕方)。

地震情報をあまり見られていないのですが、震源地に近いところは被害甚大なようで、
被災地の皆さまの無事を祈るばかりです。