2018年11月12日月曜日

米国人類遺伝学会に参加しました

理事長の中村嘉孝です。

先月、米国人類遺伝学会に出張し、CRISER/Cas9による遺伝子編集を行うためのデータベース操作のトレーニング・セッションなどに参加してきました。

興味深かったのは「Beyond “Other”: Working Toward a Standard Ontology for Diverse Populations」というタイトルのワークショップ。

直訳すると、「『他者』を超えて:多様な人間集団に対する標準的存在論に向けての取り組み」ですが、要は、人種などのように人をカテゴリー化するにはどのようなやり方があるのか、そもそも、そのようなことが可能なのかを検討する内容です。

一体、何をするのかよくわからないまま申し込んでいたのですが、学生のようにテーブル毎のグループディスカッションでした。1時間半ほどの時間でまとまった議論になるわけでもありませんが、人種ということについて、もう一度考え直すよいきっかけにはなりました。

精子バンクや卵子提供では同じ人種でのマッチングの希望が多いですが、例えば、何をもって「日本人」とするのかは、非常に難しいですね。

人種について論じることは、差別のこともあってセンシティブではありますが、かといって人類は皆同じ、というのも欺瞞だと思います。この点については長くなるので、また別の機会に。

学会では、他にも面白い講演がありました。会長招待のシンポジウムで、学術的というよりは一般的な内容なのですが、アフリカの洞窟で太古の人類の骨を発掘しているウィスコンシン大学のジョン・ホークス教授による人類の進化についての話です。

遺伝子解析によって現生人類はネアンデルタール人と交配していたことがわかっていて、従来のように単純に枝分かれしていく進化のイメージは誤りで、途中で枝と枝が複雑に交わるイメージが正しいということでした。人種ということを考える際にも、同じことが言えますね。

さて、ホークス教授によると、以前は発掘した骨の形やサイズを比較して進化の研究をするだけだったのが、遺伝子解析ができるようになってから急激に色々なことが分かるようになってきたそうです。

ご本人いわく、
「洞窟を出て骨の遺伝子解析をしたら一躍、世界の注目を浴びたんだけど、世界中の遺伝学者がすぐに真似をして、もっとすごい研究発表をするようになって相手にされなくなったので、また、すごすごと洞窟に戻った。」
とのことでした。

最近は生殖遺伝の分野が急速に進んでいます。弊法人でも遺伝学のエキスパートを迎えており、新たな領域に積極的に取り組んでいます。























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